🌟

おわりに — 今夜の声かけが、10年後を変える

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
ここまで読み終えたあなたが、もし「明日からぜんぶやらなきゃ」と思っているのなら、もう一度だけ、本書のいちばん大事な約束を、お伝えします。
全部やらないでください。
ひとつだけ、今夜から始めてください。
ここまでの6章でお話しした「今日の1アクション」を、7つ、まとめて置いておきます。
今日からできる、1アクション
第1章集中してほしいことの5分前に「お母さん(お父さん)と散歩しよう」と声をかける
第2章紙に「我が子の3資本(認知・情動・社会)」を100点満点で書き出す
第3章21時に、リビングの照明を半分に落とす(または、スマホを別室へ)
第4章家族で5分、「変な遊び」をひとつだけやる(逆さまじゃんけんがおすすめ)
第5章1日15分、何も決めない時間を、自分にプレゼントする
第6章「今日、楽しかった?」を、宿題チェックの代わりに1回だけ言う
全章寝る前に「私は、もう十分やってる」と、自分に向かって口に出す
7つあります。
全部やってもいいし、ひとつでもいい。
3週間続けて、なじんできたら、もうひとつ足す。
これだけが、本書の唯一のお願いです。

ひとつ、お話ししておきたいことがあります。
本書を書いている間、私はずっと自問していました。
「本当に、これだけでいいのか?」
「子育ては、もっと複雑な、もっと専門的なものではないのか?」
その答えは、最後までずっとシンプルでした。
子育ては、確かに複雑です。
ひとりひとり違うし、家族の事情も違うし、時代も変わります。
でも、その複雑さの中に、たったひとつだけ、変わらない真実があります。
子は、整った大人の隣で、育つ
これだけは、何百年経っても、たぶん変わりません。
整った大人になる、というのは、聖人君子になることではありません。
整った瞬間と、揺らぐ瞬間が交互にある、ただの大人でいい。
ただ、整える方法を、自分の中に1つだけでも、持っている。
それで、子の脳資本は、ちゃんと積み上がっていきます。

10年後、お子さんが、ふと夜中に親元を離れた部屋でひとり、つらい時間を過ごす夜があるかもしれません。
そのとき、子の中で立ち上がってくるのは、あなたが今日かけた「今日、楽しかった?」の声です。
今日入れた21時の照明の、あの柔らかい色です。
今日いっしょに笑った「逆さまじゃんけん」の、無意味で愉快な5分間です。
その積み重ねが、子のいちばん深いところで、その夜、子を支えます。
今夜の声かけが、10年後を変える
これは比喩ではなく、脳科学の話です。
そして、いちばん幸せな現実です。

最後に、感謝を。
ここまで読み続けてくださったあなたに。
そして、あなたが、毎日、誰にも見えないところで積み上げてきた、たくさんの「今日の1アクション」に。
あなたは、十分にやっています。
そのうえで、もう1つだけ、新しい1アクションを、今夜から積み立ててください。
それが、わが子に渡せる、いちばん尊い贈り物になります。

著者プロフィール
太田 智(おおた さとし)
UNLOCK株式会社 代表。
「脳のコンディションサービス」を事業とし、子ども教育、企業健康経営、プロアスリート支援など複数領域で、脳のコンディショニング(Life Kinetik、Brain Capital概念の日本展開等)を実装している。
ミッションは「UNLOCK Potential — すべての人の脳の可能性を解放する」。
組織哲学は「真面目に遊ぶ、真面目にふざける」。
本書の感想・ご質問は、UNLOCK公式noteまでお寄せください。
あなたの家庭の「今日の1アクション」を、いつかどこかで、聞かせてもらえたら嬉しいです。